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page 第9回 竜一忌
「郷土が誇る福澤諭吉の歴史検証講演」

 中津では毎年6月、郷土の作家松下竜一さんを偲び、その生き方に学ぶ竜一忌が草の根の会主催で開催されます。

 9回目となった今年、全国から二〇〇名もの方々が参加されました。

 ゲストは名古屋大学名誉教授で不戦兵士・市民の会副理事長もされている安川寿之輔先生で、演題は「日本の近代史を問い直そうー福沢諭吉神話の解体を通して」でした。

 安川先生の方が二歳上ですが、生前の松下さんとの出会いはなくて、 今回初めて知ったのだそうです。

 松下さんの「一万円札フィーバー」を批判した文章に感動したとおっしゃっていました。

諭吉は、『学問のすすめ』に「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言へり」と書いているのに、中津駅の扁額や土産品には「と言へり」がなく、あたかも諭吉の言葉のように扱われていますが、これはアメリカ独立宣言からの引用であり、しかも、諭吉はその言葉に同調しているわけではないのです。

 『学問のすすめ』初篇では「一身の自由を妨げんとする者あらば政府の官吏も憚(はばか)るに足らず」といっておきながら、諭吉がすすめた小学校就学は自由ではなく「仮令(たと)ひ人の身に苦楚(くそ―苦痛)疼痛を覚へしむるとも、必ずこれを行わざる可からず」という強制的なものでした。

 「独立自尊」については、「凡(およ)そ日本国に生々(せいせい)する臣民は男女老少を問はず、万世一系の帝室を奉戴(ほうたい―おしいただく)して其恩徳(めぐみ、なさけ)を仰がざるものある可からず」と書かれていて、市民の自主独立のことではなく、天皇の臣下(家来)としての独立自尊であって、主君のために死を求められる臣下はもともと自主独立などしていません。

 諭吉がおよそ人間平等論者ではなかったことは、「福翁百話」の次の言葉に明らかです。

 「人間世界に強弱痴愚相匹敵して相親愛(あいしんあい)するの例は殆ど絶無・・男女の間を同権にするが如き、一切の平均論は、・・衝突の媒介たる可きのみ」

 諭吉の差別表現はたくさんあって、日本の一般大衆を「土百姓」、「下民」,「愚民」、「百姓車挽」、「無智の小民」、「馬鹿と片輪」、「下等社会素町人土百姓の輩」などと呼んでいます。

 アジア蔑視の「脱亜論」は広く知られていますが、それについて韓国や台湾の新聞がどれほど厳しく福沢諭吉を批判してきたかを知る人は少ないと思います。

 いやはや、中津市民の私としては 「そんな諭吉さんとは知らなかった」と驚かされることばかりでした。私自身は『学問のすすめ』現代語訳と丸山眞男著『文明論の概略』(岩波新書)を読んでいましたが、自分の読解力を反省させられました。

 福沢諭吉が、帝国主義日本の牽引者であり、アジア侵略と蔑視思想の先導者だったことを認めざるを得ません。

 七月には高文研から、安川さんの『福沢諭吉の教育論と女性論』が出版されるそうです。とても七八歳とは思えないパワーで、九〇歳までの人生設計を立てておられると聞きました。

 この日嬉しかったのは 若い松下フアンが参加されていたことです。お一人は九大大学院生で、福岡市で松下作品の読書会を主宰されています。もうお一人は東京の女子大生で、今、卒論で松下竜一さんを書いているそうです。お二人とも3.11後に松下さんの「暗闇の思想」を知り、その先見性に感動されたそうです。

 本物の作家が遺したものは没後も注目され、その中で歴史の審判を受けることになるのでしょう。

 日本経済新聞が、文学周遊」欄(6月8日)で松下さんを取り上げました。松下さんの愛した河口の夕景が、カラー写真で添えられた1ページです。

亡くなったあとも活躍を続ける松下さんは、郷土の誇りではありませんか。

 絶景かな耶馬渓

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